ピヒラー・クルツラー / グリューナー・ヴェルトリーナー・スッペリン [2009]
オーストリアのワインと言えば昔は「淡白なあっさりとしたワインが多いな」という印象だった。今となってみればそれだけワインの状態自体が良くなかったということだろうが、それでも全体的にタイトなワインが多い。タイトでドライな中に色々な表情がありそういった意味でも独特の地域と言える。このワインも2009年と言えばもっと熟成しているように感じていたが、抜栓直後は質の良いドライでタイトなのだけどちょっと粘度の高さを感じるようなボディーで1本芯が通っていて表情もリリース直後からするとわかりやすく出始めている。3日かけて飲んでみたが、3日目にはボディーに厚みが出始め表情も豊かになり、それでも落ちる気配さえない。所謂ブルゴーニュ的なインパクトこそないが質感と細かな表情を楽しみたい人にはかなりオススメのワインと言える。最近ジュラのワインを飲んでいても思うのだが、ボルドーやブルゴーニュ好きの人のように一定のグッとくるものを感じたい人にはある意味向かない地域。上品さ、質感の良さ、飲んでいても嫌にならない気品さなどそういったものを求めている人にはこのワインはぴったりだ。まだまだ寝かせておいてもビクともしそうもないが、今飲んでも美味しいし3〜4日かけて飲めるのでそういった意味でもいいと思う。
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