最近はこんな感じ
私たちのお付き合いしているインポーター以外のインポーターのスタッフの話を聞くと大体自分たちの輸入しているワインしか飲んでいません。正直これでは状態の悪いワインがスタッフにとっての当たり前のワインになってしまいます。その中でしか美味しい美味しくないを判断できないわけです。
私も最近そんな感じでしかワインを飲んでいないのでいかんいかんとは思いますが、酷いワインを飲むとガッカリするのでかなかな抜け出られない現実があります。ということで間違って送ってしまったワインは自分で飲んでいます。そうするとヤマトで2回送るのでどの程度変化しているかが分かりますし、お客様が送り返すまでにそのような管理をしていたのかも分かります。別に文句は言いません。現実の世界とはどのようになっているのか一つの尺度となります。
毎週行っている四谷三丁目のカリーニョは飲むワインは全て送ってあるのでほぼ完璧で安心して飲めますが、本当は彼らが色々試したいということで買っているワインを私たちが略奪しているだけ。
数年前はインポーターでも状態に差があったことがあったのですが、最近では気になるワインはありません。それだけインポーターも進化しています。
ワインを管理していて一番大事だなと思うのはやはり温度変化。私たちのセラーは振動や紫外線の影響はないので1番の問題は温度変化。年間の温度変化は大丈夫ですが、1日の温度変化があると必ずワインが落ちてしまいます。この温度変化の影響を感じている人は世の中に少ないのかなと思います。
当然送られてきてからしっかりと落ち着かせたワインしか飲んでいませんが。
そして重要なのは飲む時の温度。状態の良いワインって低い温度の方が美味しいんですよね。
白だと今の季節は8〜10度。でも暑い時期は6〜8度。ここは体感温度の違いになります。
赤でも14度では最近高く感じます。10〜12度でいいかなとも思っています。
状態の悪いワインは温度が低いと要素が出にくく硬く感じる事が多いので温度を高くするわけです。
当然うちのワインはでキャンタージュなどしません。ワインに空気を混入するなんてことはダメ。せっかく落ち着いた酒質が楽しめなくなります。現代のワインはそんなことする必要はないのです。もしでキャンタージュしたら大きな要素だけが誇張され酒質も緩んでしまいます。全く違う世界になるわけです。
とにかくシャンパンでさえもグラスを斜めにして泡を立てないように注ぎます。白赤も同じ。
最初にグラスにちょっとだけワインを入れてグラス全体をリンスします。これでグラスの中から余計な香りがしなくなります。
こういったこと気遣うだけでまるで違う世界が訪れるわけです。
毎晩自分で料理を作って何かワインを開けますが、マリアージュなど全然気にしません。その場を楽しむようにしています。結論としては合わないワインを探す方が大変。
状態の良いワインはワインにレモンが絞ってあるような感じ。つまり酸が健全だから料理を選ばない。ワインはワイン、料理は料理といった感じです。テレビでやっているようなマリアージュなんて別世界。状態の悪いワインだから料理のマリアージュを考えなくてはならないのです。私は料理でもワインでも結構冒険をします。そうすることでの発見が多いのです。料理は失敗も多いのですが、発見すると進化につながります。そうやってだんだん上手になっていく。ワインも同じですね。
よく人を招いて料理とワインで楽しむのですが、文句が出たことはほとんどありません。文句が出たら参考になるのですが、自分でもあまり気にならないからしょうがないか、、。
ここ数年、とにかく生産者の進化が凄い。30年以上はなかった生産者同士の交流がワインを進化させているんでしょうね。でも残念ながら生産者が進化するほどにワインお状態は悪くなっていく。業界はあまりいい方向に行っていないし、酒質が良くなったり酸化防止剤を入れなかったりするとワインって扱いが難しくなるんですよね。DRCでさえ最近は酸化防止剤結構使っているらしいです。有名なワインほどそうなっちゃうんですね。私は酸化防止剤が多いと次の日必ず調子が悪くなるからすぐわかるんです。身体がリトマス試験紙。
まあ私がなんといっても皆さんがご自分で感じてワインを飲んでください。自分で判断するのが一番です。そうやっていけば私のいっていることも少しずつ理解していけるはずです。
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