ワインの世界は勘違いだらけ
先日テレビで初心者向けのワイン講座のような感じの番組がありました。
まさにプロが初心者向けにどのようにワインを選びどのように飲めば良いのか的なことを
やっていたのですが、全部は間違いではないのですが、かなり酷い内容。
確かにワインの世界は、誰でもがワインに親しむことのできるような方法でワインを
楽しむことが出来ればワインの販促につながるとは思いますが、プロがテレビなどで
語る以上勘違いしてしまう人がいることも忘れてはいけません。
例えばワインを振った方が飲みやすくなる。特殊な道具をワインの注ぎ口に付けて
空気を混入されながら注ぐと別世界のようにワインが美味しくなるなどなど。
確かに一般的に扱われているようなワインは状態の良くないワインばかりですから
それもありなのかなと思いますが、それだけプロと言われる人でさえ意識が低いのが
露呈されたような内容でした。
ワインホリックの常識はこれとは真逆でワインは暴れさせたら駄目というもの。
落ち着かせるほどにワイン本来の姿が戻ることで本当の魅力を体感できると言うこと。
昔のワインならまだしも、現在の繊細な造りのワインだったらこんなやり方をすると
魅力の多くを失ってしまいます。
ただ飲みやすいだけのワインに高いお金を払うという感覚が私にはよくわかりません。
それだったら酎ハイでも飲んでいる方がまし。なんかワインの世界だけはコストの感覚が
鈍くなっているように感じます。それだけワインはシチュエーション的な部分で
気分をあげる存在なのでしょう。
欺されてもわからなければそれでいい。欺すのなら綺麗に欺して。
こんな世界が展開されているのです。
良く聞く話が、会社などで飲み会に行くときにワインが好きだとばれると気を遣われて
居酒屋などでワインを頼んでくれる。でも不味くて飲めないんですよね、、。
ワインいの魅力に気がついていない人やワインが身近でない人たちは当然こんな感覚なので
しょうが、そういった人たちのための講座だと言えば理解できないでもないのですが、
意外とプロがそのようなことを言うと、ワイン好きでさえ勘違いしてしまうのです。
そこは肝に据えておかないと、レストランでワインを振る人が出てきそうです。
私も昔はいろいろとやってみました。瓶をシェイクして落ち着かせたワインと
飲み比べてみる。ブルゴーニュをデキャンタージュしてみる。
当然やってはいけないことなのですが、そうやってみると違いは明確。
デザートワインに白トリュフを削って一緒に楽しむのはいけますが。
とにかく一番大事なことは状態の良いワインを選び、その作り手本来の魅力を
味わうと言うことです。若いワインなら若いワインとして、熟成したワインなら
その熟成具合を楽しむ。
若いワインを無理矢理デキャンタージュして飲んでも、強制的に開かせたワインは
絶対に瓶熟したワインのようにはならないのです。
だからこそワインをちゃんと落ち着かせてワインを本来の状態にもそして飲むことが
重要なのです。
ワインはリーズナブルなワインの方が早く開き、高価な方が時間がかかるという基本的な
法則があります。ヴィンテージ差や例外はありますが、そう思った方が良いと思います。
そしてワインは開いているワインの方が絶対的に美味しいと言うこと。
開いているかどうかは、価格差以上の価値があるのです。
古酒を買う場合は高価だなと思う前に熟成させた時間にお金を払っているとい言うことを
忘れないでください。
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