ドメーヌ・シモン・ビーズ・エ・フィス / ピュリニー・モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ガレンヌ [2006]
このワインは凄かった!
私も長年熟成したワインだけを扱ってきた時期があるが、1級畑でこれを凌ぐワインをあまり経験したことがない。この時期にこういったワインに出会えたことはまさに幸せな一瞬だった。
くらくらするほど素晴らしいワインは沢山あったのだが、20〜30年前は今のように状態の良いワインは少なく、状態の良い蔵出しでここまで良いワインは滅多になかった。
ポテンシャルの高さという意味では1級畑のポテンシャルそのものなのだが、欠点のないバランス感、熟成のまさに理想的な状態、理想的な要素が非の打ち所がないほどバランス良く内包されている。
シモンビーズのワインは先代が生きていた頃は倒産もささやかれたほど作りという意味では決して素晴らしい物ではなかった。だが熟成によってかなりの存在感を示すという意味での期待値があった。欠点を熟成が補ってくれるワインだったのだ。しかし全ての生産者のワインが熟成によって良くなるのではなく、熟成によって良くなるのは生産者によって違う。ピーク後長く熟成できるワインもあるが、意外と伸びのないワインも多いのだ。そういった意味でシモンビーズは熟成力がある。
過去飲んだシモンビーズの中では信じられないほどのワインなのだが、このワインを飲むと蔵に抱えている彼らのバックヴィンテージの中にはまだまだお宝がありそうだ。
先代が亡くなったシモンビーズは現在妻であるちさサンによって大きな改革が行われている。ビオディナミへの挑戦も現在進行中でかなり注目度の高い蔵へ変身していくだろう。
残念ながら昨日のワインは完売してしまったが、今後出てくるであろうバックヴィンテージに期待したい。
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