自然派ワインと鰯料理

昨日はカリーニョで鰯料理に合う白ワインをというテーマでいろいろと試してみた。

こういったマリアージュ系の合わせ方は最近していなかったが、よく考えるとスペインの白は現在ほとんどが自然派系ばかり。その中でも個性的なワインばかりなのでもっとはっきりとした個性を明確に感じるワインがあれば面白かったのだが。

ベルナベ・ナヴァーロ / ベニマキア・ティナハス [2014]

パゴ・デル・ナランフエス / バコ・ペレス [2012]

メンダール / ビ・デ・タウラ フィンカ・アベウラドール [2012]

最後は南アフリカ、テスタロンガのロゼ。


今日は自然派ワインのある意味難しさにやられた感がある。ワインとしては全体的にいつも私が好きな明確なピュア系のワインと言うよりも自然派系のなんと言ったら良いか食事と合わせることで価値の出るワインとでも言おうかそんなワインたちである。

それぞれのワインが強い個性が希薄でもっと領域の狭い部分に個性がある。主張がそれほど強くないから料理に合うと思えば実はそれも違ってくる。合わなくはないとかまあまあとかそんな感じで所謂マリアージュとしてみると出会いはなかったように感じる。

なんかこういう会をやってるとお見合いのような感じ。楽しくは過ごせるけど、はっとする出会いはなかった。今日はそんな感じ。それよりも自然派ワインの難しさに改めて打ちのめされた日であった。

こうやって比べて飲んでみると自然派系のワインは全体的に糖度が低い。酸がブルゴーニュのように特別強いわけではないが、糖度と酸のバランス感が微妙でどうしても気になってしまう。そこの部分が料理とも合わせにくい部分だ。糖度が低いと複雑さが出にくくなり単調になる傾向がある。

特に今日の鰯料理は所謂魚臭さがほとんどなくこれならもっと純粋なシャルドネのような、シャルドネでも南仏のフェリーヌなどのようなものか、ソーヴィニョン・ブラン、リースリングのあまり特徴が強く出ていないワインの方が良かったのかもしれない。スペイン縛りだったのでそれも難しかったが、、。

メンダールはもう2年ほど寝かせていたので全体的にまろみが出てきており、まとまりは良いのだが鰯料理と合うかどうかと言えば微妙。今回のワインの中では最も個性を感じるワイン。ただやはりメンダールは2014年以降劇的に変わったので2014年の方がワイン単体としても楽しいかもしれない。ただ変な自然派臭さは抜けており狭い領域の中での美味しさはあった。

パゴ・デル・ナランフエスはもう1時間もたつと豆っぽさが出てきて個性的な面が強く出てくる。


テスタロンガのロゼは質感は良いのだが酸が気になりそこが若さ故の難しさを感じた。

時間がたって一番良かったのはベルナベ・ナヴァーロ。ボディーが崩れることなく一番伸びやかに育っていく。最終的にはこのワインが一番に良いという結果になったのだが、いつもワイン単体の魅力で楽しんでいる私たちにとってはちょっと苦痛を伴った日でもあった。


だが今日分かったことは自然派のワインも熟成が必要だと言うこと。特にこういったワイン単体としての美味しさが希薄なワインはもっと早くからそれなりに食事と合うと思っていたが、意外とそんなこともなく熟成が必要。ただどうなのだろうか。熟成という期間を経てもそれほど劇的な変化をしてくれるわけではない。もともと酸化系の自然派ワインには否定的だったが、改めてそれを感じてしまう。

次回はちょっと酸化系ではない自然派ワインをいろいろと飲み比べてみたいと思う。自然派系のワインの難しさを知っただけに私の好きな自然派ワインを改めて検証したい。

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