ジャン& ジャン・ルイ・トラペ / コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ・ル・メイフラング [2013]
トラペの当代は実に生真面目な人である。とても13h所有する6代も続く名門の後継とは思えないほどで、ビオ・ディナミに転向して以来今までのトラペの伝統を拭い去る素晴らしいワインが生まれ始めている。転向当初は今一つ焦点が合わないようなワインだったが、徐々にその真価を現し始め現在ではその質感の高さ、地味ながらもグッとくる旨味はルーミエやマルキ・ダンジェルヴィーユと同級生だけに年齢からくる深みの確かさは非常に落ち着きのあるものだ。
2011年のマルサネを飲んだ時「あれ、ちょっと変わってきたな!」と感じたのだが、この2013年の香りを嗅いだ時ようやくある程度の境地に達したことを感じる。味わいの深さもとてもこのクラスのワインとは思えないものがあり、ようやく彼が現したい新しいトラペの姿を感じることができる。アルザスで作るワインはブルゴーニュより早い時期から頭角を現していたが、ブルゴーニュは伝統からの脱却に手間取っていたようだ。そろそろ土地から農薬も抜け本格的に始動する時期なのかもしれない。
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