ドメーヌ・シルヴァン・パタイユ/ マルサネ・ルージュ2017年
パタイユの2017年白は本当に素晴らしいのだが、赤はどうなのだろう。
このワインはマルサネの村名ルージュ。
なんと言うことだろう。軽やかな酒質で旨味が溢れている。いわゆるブルゴーニュ好きに好まれるようなインパクト勝負のワインではない。
ちょっとここで脱線するが、状態が良くないとこの手のワインは面白くなくなる。状態の良くないブルゴーニュが多いために、ブルゴーニュルージュから村名ワインはあまり印象が良くない場合が多い。だからみんな区画の良いとされるワインや、一級、特級のワインを目指すのである。細かい要素が抜けても大きな印象的な要素が残りやすいからだ。
さて本来ワインとは実は安いワインは大きな要素は保っていなくても早熟で開きやすいという特徴がある。ワインは開いているときが最も美味しいわけで、状態さえ良ければ普段飲むワインであれば安いクラスのワインでも驚くほどの印象を与えてくれるのである。
このワインの印象は昔飲んだデュジャックの状態の良いオフヴィンテージのモレ・サン・ドニにちょっと似ている。凄く滑らかで艶めいていてふわっとしていて大きな要素はなくとも「あ〜いい!」という感じなのだ。確かにまだ若いのでこのマルサネ・ルージュはそこまでではないが、そんな雰囲気を持っている。
脚色もないワインの世界でここまで持って行くのはさぞかし難しい事だろう。一段ステージの上がったシルヴァン・パタイユは、ある一定の境地にたどり着いたのだろう。
寝かせてもそれなりに価値のあるワイン。これは村名といえども価値あるワインとして印象に残る。
1月6日発売
0コメント